10分で分かる!日本大学アメフト部「危険なタックル」問題の経緯まとめ

アメリカンフットボール

日大学アメフト「危険なタックル」問題の経緯まとめ

6日(日)日大vs関学の試合にて危険なタックルが発生

5月6日(日)日本大学vs関西学院大学の定期戦で日大の選手が関学のQBに対し、後ろから故意で悪質なタックルを見舞った。日大の選手はこの後も反則を繰り返して退場処分に。

タックルされた選手は膝軟骨損傷と腰の打撲、左足の痺れなど全治3週間の怪我を負った。

なお、試合の結果は21-14で関西学院大学が勝利。

この動画がSNSで取り上げられると、衝撃的なプレーに対して日大アメフト部に抗議や誹謗中傷殺到し、大炎上に。そしてTVなどのメディアでも取り上げられると、スポーツ庁も介入するなど騒動が拡大した。

そして日大との春のオープン戦の予定があった他大学は日大との試合を中止することを発表た。

17日(木)タックルを受けた関西学院大学が記者会見

5月17日(木)関西学院大学の鳥内秀晃監督と小野宏ディレクターがタックル問題について記者会見を開いた。

この会見に先立ち、関学は日大に対して危険なプレーへの見解と謝罪を求める抗議文を送り、その回答が15日(火)に届いたことを受けて行われた。

小野宏ディレクターによると日大の回答は「危険なタックルは監督やコーチからの指示ではなく、意図的ではなく、指導者と選手の受け取り方に乖離があって起きた。」とのこと。

これに対して関学は「疑問は解消できておらず、誠意ある回答ではない」とし、改めて日大側に経緯の詳細の説明を求めた。

一方、日大の内田監督ら指導陣は試合から2週間近くたってもメディアの前で一切説明することはなく雲隠れ。この対応にも批判が高まった。

19日(土)日大アメフト部内田監督が会見、辞意を表明

騒ぎが拡大しもう逃げられないと思ったのが、日大の内田正人監督が関西学院大学へ謝罪に訪れ、その帰りに伊丹空港で記者会見に応じた。

内田監督は「すべて私の責任です。弁解もしません。私が辞任して新しい日大アメフト部を作っていく」として辞意を表明。

危険なタックルを指示したのか?問われると「関学側に文章で答える。」と言明を避けた。

なお、この会見では関西学院大学(かんせいがくいんだいがく)を「かんさいがくいんだいがく」と大学名の読みを何度も間違える場面も。

辞意を表明したものの、対応が遅れたこと、保身の姿勢や謝罪の誠意が感じられないことから騒ぎが収まることはなかった。

22日(火)タックルを受けた関学QBの父親、奥野康俊氏が会見

22日(火)怪我をした関西学院大学QBの父親である奥野康俊大阪市議が会見を開いた。

奥野氏は「内田監督の会見では真実を聞くことができなかった。息子になぜあのようなことをしたのか。加害者がなぜあそこまで追い込まれたのか。」と述べた。

そして「日大監督の指示があったかどうか。真相を明らかにしたい」として、傷害容疑で大阪府警に被害届を出したことを明らかにした。

怪我をした息子は「アメフトをするんじゃなかった」と泣いていたという。

これにて真相解明を行うため、警察の捜査も入ることに。

22日(火)タックルをした日大宮川泰介選手が記者会見

22日(火)の午後、関学QBに危険なタックルを行った日大の宮川泰介選手が20才の学生としては異例ながら、顔出し&本名を公表し記者会見を行った。

宮川選手は冒頭で「大きな被害と多大な迷惑をかけたことを深く反省しております。大変申し訳ございませんでした。」と頭を下げた。

その後に読み上げられた陳述書では「井上奨コーチから相手のクオーターバックを潰せば試合に出す。クオーターバックがけがをして秋の試合に出られなかったらこっちの得だろう。できませんでしたじゃ、済まされないぞと言われた」「内田監督からはやらなきゃ意味ないよと言われた」とのやりとり明かした。

その後の質疑応答では「自分でやったことなので真実を話すことが償いの第一歩。」と述べ、関学との試合前には練習から外され、日本代表も辞退するよう監督から指示があり、精神的に追いつめられあのタックルに繋がったことが明らかに。

この会見を受け、関学鳥内監督は「非常に具体的だったので真実を語ってくれたと感じた。」と述べ、被害を受けた選手の父親である奥野氏は「勇気を持って真実を話してくれたことに感謝する」とコメントした。

23日(水)日大内田正人前監督と井上奨コーチが会見

22日の宮川選手の会見を受け、日本大学アメリカンフットボール部内田正人前監督と井上奨コーチが会見を開いた。

会見で内田前監督は相手のQBを潰せという指示については「私からの指示ではない」と再度否定、井上コーチも「QBを潰せと言ったが闘志を出してやれという意味で怪我をさせろという意味ではない」と弁明。

また宮川選手が会見で述べた「やらなきゃ意味ないよ」という発言に対し内田前監督は「言っていないと思う。ルールを守るのが原則だ」とした。

「相手のQBが怪我をして秋に出れなかったらこっちの得」という発言について井上コーチは「彼を成長させるためにいろんな表現を使ったが、得とか損ということは言っていない」と否定。

なお内田前監督は日大の常務理事を一時停止して謹慎、井上コーチは辞任することを併せて発表、そして内田前監督は記者会見後に心身疲労で日大病院に入院した。

日大記者会見では取材陣と広報のバトルが繰り広げられる

日大の記者会見では司会を務めた日大企画広報部の米倉久邦氏の「上から目線」の対応も大きな話題に。

米倉氏は「もうやめてください」「同じ質問です」「これ以上やっているときりがない。だいたい同じ質問が繰り返されているので、これで質問は終わります」と記者を制する言葉が次第にヒートアップ。

そして記者との間で言い合いになり進行は混乱した。

監督、コーチの保身に走る弁明だけでなく、危機管理部を有する日大の対応も改め杜撰だということを印象付けた。

25日(金)日大の学長、大塚吉兵衛学長が記者会見

25日(金)日本大学の大塚吉兵衛学長が会見を行った。

冒頭に関学QBの選手や家族、関係者に謝罪し、宮川選手に対しても「追い込んでしまった」と述べ、大学側の対応に非があったことを認めた。

しかし、監督・コーチからの怪我をさせろとの指示については「第三者委員会の調査結果を待ちたい」として、言明を避けた。

26日(土)関学監督、HCと被害者の父親奥野氏が会見

関学の鳥内秀晃監督と小野宏ディレクター、タックルを受けたQBの選手の父親奥野康俊氏が、日大から受け取った再回答書の内容を踏まえて記者会見を開いた。

関学は再回答書を「矛盾があり、真実とは到底認識できない。信頼関係を取り戻すまで日大との定期戦は中止する。」と発表した。

鳥内監督は「選手が真実を語っていると思う」と述べ、内田監督と井上コーチの保身に走る言動に疑問を呈した。

奥野氏は日大宮川選手について「世間から多くの批判に晒され、すでに社会的制裁を十分に受けている。刑事責任をさらに負うべきではない。」とし、すでに被害届は提出済みだが「寛大な処分を求める嘆願書を集める」と明かした。

27日(日)関学QBの選手が復帰、試合後会見を開く

27日にタックルを受けた関学QBの選手は関西大学との試合で復帰、チームの勝利にも貢献した。

試合後に選手は会見を開き、「(宮川選手に謝罪を受けた時は)すごく心苦しく、かわいそうだという気持ちだった」「(宮川選手と)また正々堂々と勝負できたらいいなと思う」と語った。

29日(火)日大アメフト部選手一同が声明文を発表(声明文全文)

本年5月6日に行われました関西学院大学アメリカンフットボール部と私たち日本大学アメリカンフットボール部の第51回定期戦での私たちのチームメイトの反則行為について、ケガを負ったQBの選手とご家族の皆様にお見舞いを申し上げるとともに、関西学院大学アメリカンフットボール部関係者の皆様、関東学生アメリカンフットボール連盟その他の関係者の皆様に、多大なご迷惑とご心労をおかけしてしまったことを、私たち日本大学アメリカンフットボール部選手一同、心よりお詫び申し上げます。本当に申し訳ありませんでした。また、私たちの行為によりアメリカンフットボールという競技そのものへの信頼が損なわれかねない状況に至ってしまったことについて、アメリカンフットボールを愛する全ての皆様、そして社会の皆様に深くお詫び申し上げます。

今回の件が起こってから、私たちは、どうしてこのようなことになってしまったのか皆で悩みながら何度も話し合ってきましたが、まだ明確な答えが見つけられたわけではなく、これからも話し合いは続けていきたいと思います。また、これから捜査機関による捜査や大学が設置する第三者委員会の調査が行われるようですので、私たちも全面的に協力して、その結果も待ちたいと思います。なお、それらの捜査・調査に際しては、関係者の皆様にも、私たちが信じているチームメイトのように、誠実にありのまま全てをお話しして、その責任をしっかり受け止めて頂きたいと思っています。

ただ、少なくとも、私たちは、私たちの大切な仲間であるチームメイトがとても追い詰められた状態になっていたにもかかわらず、手助けすることができなかった私たちの責任はとても重いと考えています。これまで、私たちは、監督やコーチに頼りきりになり、その指示に盲目的に従ってきてしまいました。それがチームの勝利のために必要なことと深く考えることも無く信じきっていました。また、監督・コーチとの間や選手間のコミュニケーションも十分ではありませんでした。そのような私たちのふがいない姿勢が、今回の事態を招いてしまった一因であろうと深く反省しています。

私たちは、日本大学アメリカンフットボール部全体が生まれ変わる必要があることを自覚しています。今後、具体的に何をしていかなければならないかについては、これから選手一同とことん話し合って決めていきたいと思います。ただし、絶対に必要だと今思っていることは、対戦相手やアメリカンフットボールに関わる全ての人々に対する尊敬の念を忘れないこと、真の意味でのスポーツマンシップを理解して実践すること、グラウンドではもちろんのこと、日常生活の中でも恥ずかしくない責任ある行動を心がけるなど常にフェアプレイ精神を持ち続けることを全員が徹底することです。そのために何をしていく必要があるのか、皆様にご指導頂きながら、選手一人ひとりが自分自身に向き合って考え抜くとともに、チーム全体でよく話し合っていきたいと思います。

そして、いつか、私たち日本大学アメリカンフットボール部が、部の指導体制も含め生まれ変わったと皆様に認めていただいた時には、私たちが心から愛するアメリカンフットボールを他のチームの仲間たちとともにプレーできる機会を、お許しいただければ有難いと思っています。また、そのときには、もし可能であれば、私たちのチームメイトにも再びチームに戻ってきてもらい、一緒にプレーできればと願っています。

私たち選手一同の今の思いは以上のとおりです。私たちは、今回の件の深い反省のもと、真剣に、謙虚に、一丸となってチーム改革を実行していく所存ですので、どうかご指導のほど、よろしくお願い致します。

29日(火)内田前監督と井上コーチが除名処分(永久追放)に

関東学生アメリカンフットボール連盟は臨時理事会にて内田前監督と井上前コーチを最も重い処分である除名とすることを発表、さらに宮川選手と日大アメフト部については2018年度シーズン終了まで公式試合の出場資格を停止するとした。

31日(木)日大の教職員組合が田中理事長と大塚学長の辞任を求める

日本大学に勤務する教職員組合は、31日に日大トップの田中英寿理事長と大塚吉兵衛学長の辞任、さらに内田正人前監督を含む全理事とアメフト部の部長、コーチ全員を解任すべきとの要望書を日大側に提出した。

日大アメフト部のタックル問題は日本大学とそのグループトップの田中英寿理事長の対応に飛び火しその対応に注目が集まっている。

6月1日(金)奥野康俊氏が宮川選手との示談成立を発表

関学QBの父親で大阪府議会議員の奥野康俊氏がtwitterで日大の宮川泰介選手との間で示談が成立したことを発表。宮川選手に対しては「応援します」とした。

また、今後は日大への補助金の投入の是非、理事の選任の仕方などあるべき姿に向けて提言するとツイートした。

一方、日大の内田前監督と井上前コーチについて傷害容疑の告訴状を警視庁調布署に提出、既に受理されており、今後捜査が本格化する。

日本大学アメフト部の対応に芸能人からも非難の声が相次ぐ

2018.05.24