「航空運賃が10万円で安い!と思ったら別途、燃油サーチャージで3万円もかかるのか。。」等とガッカリした経験のある方もいると思います。
ネットで航空券を予約する場合、運賃だけでなく、燃油サーチャージが運賃に含まれているかどうかも確認することが重要です。
この「燃油サーチャージ」は飛行機の利用者である私達にとっては厄介なものとなっていますが、何を基準に値段が変動したり、サーチャージがなくなったりするのでしょうか?
ここでは「燃油サーチャージの仕組み」について分かりやすくまとめてみました。
燃油サーチャージ(燃油特別付加運賃)とは?
燃油サーチャージ(燃油特別付加運賃)とは航空運賃とは別に、燃料となる油の価格によって変動して発生する料金のことで、油の値段が高い場合は搭乗客が燃油サーチャージ料金を負担、一定の値段以下の場合は負担はゼロとなるものです。
国内線については、距離が短く、燃油サーチャージがあったとしても運賃(チケット代金)に含まれるため実質ないと考えてOKです。
燃油サーチャージの料金は航空会社によって異なりますが、一般的に燃油の原料である原油価格が上がり、さらに(燃料を多く必要とする)長距離路線になればなるほど高くなります。
原油価格が高かった時には、アメリカやヨーロッパに行く際、運賃とは別に燃油サーチャージが5万円、6万円する時期もありました。
燃油サーチャージはエコノミー、ビジネス、ファーストクラスの顧客が全て同一であることが多く、資金的に余裕のない人ほど負担になります。
原油価格が上昇すると→燃油サーチャージも上昇→(コストが高いので)飛行機への搭乗客が減少→航空会社の業績が悪化→航空会社の株が売られて下落する。という現象に繋がるケースが多いのです。
ちなみに、飛行機を飛ばす燃料となる「燃油」ですが、これはどのように作られるか知っていますか?
これは油田から採掘されたばかりの油「原油」の不純物などを取り除いたり、蒸留(精製)することで作られています。
蒸留する際の沸点の違いにより、ガソリンや灯油など使用用途により様々な油が作られるのです。
現在の燃油サーチャージの値段(ANAとJALの場合)
2017年9月時点ANAとJALの燃油サーチャージ
行き先 | ANA料金 | JAL料金 |
韓国 | 200円 | 200円 |
中国、台湾、香港 | 500円 | 500円 |
グアム、フィリピン、ベトナム | 1,000円 | 1,000円 |
タイ、シンガポール、マレーシア | 1,500円 | 1,500円 |
インドネシア、インド、ハワイ | 2,000円 | 2,000円 |
北米、欧州、オセアニア、中東 | 3,500円 | 3,500円 |
燃油サーチャージは原油の値段に連動するため、さらにライバル会社であるため?両社の値段は同じになっています。
現在は原油価格が1バレル50ドル程と落ち着いていることもあり、日本からアメリカ、ヨーロッパへの長距離路線でも片道3,500円となっています。
しかし、この燃油サーチャージは2ヶ月に1度ほどのペースで見直されるため、今後原油の値段が上昇した場合、サーチャージの値段も上がることになります。
「原油」の価格を予想してして取引することもできる
燃油サーチャージは「NYマーカンタイル商品取引所のWTI原油」の値段を基準としています。
NYの取引所で取引されている原油の値段が上がると、燃油サーチャージの値段が上昇、逆も然りです。
原油の変動要因は、石油産出国が多い中東情勢、石油輸出国にて構成されるOPEC(石油輸出国機構)の政策、世界経済の動向、需給バランスなどに左右され、ファンドなどはこれらを分析した上で収益をあげるべく取引を行っています。
日本の証券取引所でも原油価格に連動したETFが上場しており、私達も将来の原油価格を予想し取引をすることができます。
- WTI原油価格連動型上場投信(1671)
- ETFS WTI原油上場投資信託(1690)
- NEXT FUNDS 原油インデックス(1699)
- 原油ダブル・ブルETN(2038)
- 原油ベアETN(2039)
もし興味のある方はぜひ取引をしてみてください。