初の海外旅行初日に香港の重慶大厦(チョンキンマンション)で全財産を失った話
大学生1年の夏に念願の海外旅行!行き先は香港&フィリピン
中学時代から海外の文化や風習に興味があり、社会の授業中はずっと地図帳を眺めては海外旅行に思いを馳せていました。
そして大学に入学し勉強そっちのけでバイトに精を出しお金を稼いで、1年の夏休みに念願の海外へ。
行き先は値段や言葉(香港やフィリピンではある程度英語が通じる)を考慮し、香港とフィリピンに決定。
期間は約2週間、予約したのは行き帰りの飛行機だけで、ホテルは現地で行き当たりバッタリという自由気ままな海外旅行です。
気持ちがMAXに高ぶり成田から香港行きのキャセイパシフィックに乗り込みました。
香港初日で親切?なフィリピン女性に出会う
空港から市内中心部に向かい、さぁこれから今日の安宿でも探そうかと公園で「地球の歩き方」を見ていました。
すると、東南アジア系の中年女性から「あらっ、日本人の方ですか?」と日本語で話しかけられ、「今宿を探しているところ」と言うと親切なことに、その人の友人が格安の宿を経営しているとのことで、案内してくれることに。
その人はフィリピン人で京都で5年働いた経験があり、日本にいた時に日本人に親切にされたので、そのお返しをしたいとのこと。
まぁ、これが詐欺に合う入り口なんですが、この時はアホなことに「ラッキー」だと思っていました。
で、行き着いたのがバックパッカーの聖地?とされる重慶大厦(チョンキンマンション)。
大きいビルに安宿や飲食店、雑貨店など数百もの店がひしめいています。
旅行前に沢木耕太郎の紀行小説「深夜特急」を読んでいたこともあり、若かりし頃の沢木が泊まったのも重慶大厦。とても興奮しました、「俺も今旅をしている」と。
重慶大厦で登場する怪しい人達
さっそく香港にしては格安の部屋を案内(3畳程、シャワー&トイレ付き個室、2,500円くらい)され、とりあえずご飯を食べに行くことに。
外食から戻ってくると、宿の入り口でトランプに興じる中年のフィリピン人男性が。そこで声をかけらて一緒に遊ぶことに。
酒を飲みながらワイワイ遊んでいたところ、その中の一人から俺の友人で超大金持ちがいるから、そいつをちょっと騙して小銭を稼がないか?との提案。
普通はここで断るんでしょうが、酒で気分が大きくなっていたことと、初海外で頭がマヒ?していたのか、それは面白いとい!うことでその案にのることに。
ポーカーでグルを組むことにより絶対に自分が勝つ方法を伝授され、いざ大金持ちが登場。いかにもお金を持ってそうな温和なマレーシア人のおじさんでした。
大金持ちとのポーカー
で、賭けポーカースタート。連戦連勝だと怪しまれるので、フィリピン人のグルのおじさんとの練習通りにたまに負けたりして調整しながら、どんどん進みます。
最初は数千円程度だったので、なんとも思わなかったのが、さすがに絶対勝つとはいえ金額が10万円を超えるとビビるように。
そこで、最後にしようと提案、カードをめくって私が勝つと30万円ほどゲットできるという状況に。
もちろんフィリピン人のおじさんとグルになっているので、勝つことは決まっています。
しかし、そこで相手の大金持ちが「君、これで負けたら30万円支払う必要があるけど、そのお金はあるのか?」と言い出し、「ない」というと「それではこの賭けは成立しない」となり、とりあえずここは私とマレーシア人の大金持ちがとりあえずそれぞれ10万円をフィリピン人に預け、明日残りの20万円を持ち寄った際にカードを開けて決着をつけようということに。
初海外初日で詐欺に合いお金を失う
今考えると詐欺としても相当杜撰ですが、この時の僕は初日で思わぬ大金を手にすることができるという高揚感とフィリピンで豪遊できるなという想いで頭の中は一杯でした。
で、翌日、待ち合わせの時間になっても誰もこず、宿の人に聞いてもフィリピン人のおっさんはもういないとのこと。。
そこで初めて気づきました。騙されたんだと。
持ってきたお金は11万円、騙されて無くしたお金は10万円。香港でいろいろ買ったり、宿代を払ったりしたので、手元には3,000円くらいしか残っていませんでした。
航空券は事前に行き帰り分予約していたので、手元にありましたが、これがまさに「途方にくれる」ということかと、茫然自失になったのを覚えています。