ラグビーワールドカップ2015イングランド大会はラグビーの聖地ロンドンのトゥイッケナム競技場で決勝戦が行われ、ニュージーランド代表オールブラックスがオーストラリア代表ワラビーズを34-17で破り優勝を決めました。
オールブラックスは史上初のW杯2連覇、そして最多の3回目の優勝を成し遂げ、名実ともに世界最強を証明しました。
ラグビーワールドカップ2015決勝戦NZvsオーストラリア
ニュージーランド代表オールブラックス先発メンバー

各ポジションに世界最高レベルの選手を集めた最強の黒い軍団。ベテランのリッチー・マコウ、ダニエル・カーター、マア・ノヌー、コンラッド・スミスはこれがNZ代表としては最後の試合となる見込みで最後に勇姿を見せるべく戦いました。
オーストラリア代表ワラビーズ先発メンバー

怪我から復帰した3番のPRケプがスクラムの核となりスクラムは安定。
マイケル・フーパーとデービッド・ポーコックの激しいタックルと相手のボールを奪取するジャッカルはこの試合でも光りました。

試合前にオールブラックスはハカ「Kapa o Pango(カパ・オ・パンゴ)」を踊って気合を入れました。
世界ランキング1位のオールブラックスと2位のワラビーズの決勝戦の事前予想は接戦になるもののオールブラックスが優勝するとの声が圧倒的。
また、オールブラックスを10年以上率いてきた主将のリッチー・マコウとダン・カーターのスーパースターのプレーにも注目が集まりました。
スター軍団のオールブラックスか、または強敵を撃破してきたオーストラリアか。世界中のラグビーファンが4年に1度の大舞台のfinalに釘付けに。では試合の詳細を追っていきましょう。
W杯2015決勝戦NZvsオーストラリア試合の振り返り
試合は両チームなかなかトライが奪えず、ペナルティーにてこつこつ得点を重ねる展開へ。NZのポゼッションが上回り相手陣地に攻め入ることが多いものの、オーストラリアも粘り強い守備やターンオーバーで付け入る隙を与えず。

前半36分にNZのカーターがこの日3回目のペナルティーキックを決めてNZが9-3とリード。
前半はこのまま終了するかと思った矢先、NZが巧みなパスでボールを繋ぎ最後はWTBネヘ・ミルナースカッターがトライを決め、コンバージョンも決まり、前半はNZが16-3で折り返し。

後半開始直後、アーロン・スミスからボールを受けたノヌーがFWの密集近くを抜けて、そのままバックスも抜き去り一気にトライ!
NZは後半最高の出だしとなった。

NZはベン・スミスが危険なタックルでシンビン(10分の退場)。
するとオーストラリアの勢いが増し一気に攻勢へ。後半13分にNZのゴール前ラインアウトからオーストラリアはモールでボールを押し込み最後はポーコックがトライ。攻撃の狼煙を上げます。

オーストラリアはさらに攻め続け、後半23分にはゲニアのキックからボールを繋ぎ最後はクリンドラニがトライ!この時点で得点はNZの21-17と僅か1トライで逆転となる4点差まで縮まり接戦へ。

この状況を打開したのがNZのダン・カーター。後半30分にラックから出たボールをスミスから受け取ると、まさかのドロップゴールを決めて3点を追加し24-17とリード。カーターは緊迫する場面で真骨頂を発揮し、残り10分でNZが優位に。

後半39分にはオーストラリアのミスからボールを奪ったベン・スミスが自陣から抜け出しボールを相手陣内へキック。ボールを追ったバーネットがボールをキャッチしてそのままトライ!試合終了間際にトライを取ってNZが34-17で勝利しました。
NZ代表オールブラックスが優勝!2連覇&3回目の優勝を達成!

ニュージーランドキャプテンのリッチー・マコウはイギリスのヘンリー王子からエリスカップ(優勝杯)を受け取り、天に掲げました。
それにしても今大会のオールブラックスの強さは際立っていました。穴のない守備、多彩な攻めのパターン、安定したスクラムとラインアウトのセットプレー、弱点がないのがオールブラックスの強さでどんな相手にも優勢に展開し、その強さはまさに世界最強。
世界中のラグビーファン、チームから尊敬される素晴らしいチームです。

オールブラックスを象徴するリッチー・マコウとダン・カーターがエリスカップを掲げる光景。まさに映画のような結末で彼らは黒衣のユニフォームを脱ぐことになりました。
オールブラックスはこれまでチームを引っ張ってきた中心選手が今回のW杯を機に6人ほど抜け、新オールブラックが誕生する予定。とはいえ選手層が厚いのがニュージーランドで引き続き次世代の選手達が世界最強を維持すべくその強さを証明してくれるでしょう。
ラグビーW杯2015決勝戦NZvsオーストラリアハイライト動画
決勝戦ハイライト動画
試合後のウイニングハカ
次回2019年のラグビーW杯の開催は日本!!

次回のラグビーワールドカップ2019年大会は日本で開催されます!新国立競技場で開催できなくなったのは非常に残念ですが、予定では開幕戦は味の素スタジアム、決勝戦は横浜の日産スタジアムで開催する予定です。
今回のイギリス大会はほとんどがグランドと観客席が近いサッカー&ラグビー専用競技場での開催、そして芝生はラグビーのような激しいスポーツにも耐えうるハイブリッドの芝生で素晴らしい環境でした。
日本での開催は陸上競技場が多く、さらにハイブリッドの芝生のグランドはなく、4年間でこれら環境面の整備をどうするのかが課題となっています。
また、日本代表の強化については来年からNZ、豪、南ア、アルゼンチンの今回のW杯4強の国々のクラブチームのリーグ戦に日本代表に準じるメンバーで構成されるチーム「サンウルブス」での参入が決まっています。
日本代表の新たなHCがこのチームの監督も兼任する予定で、日本代表の強化はサンウルブスを中心に進められていく予定。しかし、未だにHCや選手の人選が進んでおらずどうなるか心配。
今回日本代表が南アフリカを歴史的な大勝利で撃破して、一気にラグビー熱が高まりましたが、これを一過性のものにするのではなく、トップリーグ、サンウルブス、日本代表と各ステージで試合のレベルを高めて、ラグビー界全体の底上げをしなければ次の日本開催でのW杯は厳しい結果になること間違いなし。
私たちラグビーファンも日本のラグビーが強くなり、次回のW杯を成功させるために、今後もラグビーに注目し応援していきましょう!