豊かで平和でおもてなしの国「日本」。
多くの日本人はアジアで最も裕福な国は自分たちの国だと思っているようですが、実際は違います。
日本は人口が多いので国の経済規模(GDP)だとアメリカ、中国に続き世界第3位、アジアでは2位ですが、1人当たりのGDPだと世界で27位、アジアだと7位なんです。
詳しく見て見ましょう。
2014年世界の1人当たりGDP国別ランキング
順位 | 国名 | 1人当たりのGDP 単位:US$ |
1 | ルクセンブルク | 111,716 |
2 | ノルウェー | 97,013 |
3 | カタール | 93,965 |
4 | スイス | 87,475 |
5 | オーストラリア | 61,219 |
6 | デンマーク | 60,564 |
7 | スウェーデン | 58,491 |
8 | サンマリノ | 56,820 |
9 | シンガポール | 56,319 |
10 | アメリカ | 54,597 |
11 | アイルランド | 53,462 |
12 | オランダ | 51,373 |
13 | オーストリア | 51,307 |
14 | アイスランド | 51,262 |
15 | カナダ | 50,398 |
16 | フィンランド | 49,497 |
17 | ベルギー | 47,722 |
18 | ドイツ | 47,590 |
19 | イギリス | 45,653 |
20 | フランス | 44,538 |
21 | ニュージーランド | 43,837 |
22 | アラブ首長国連邦 | 43,180 |
23 | クウェート | 43,103 |
24 | 香港 | 39,871 |
25 | イスラエル | 36,991 |
26 | ブルネイ | 36,607 |
27 | 日本 | 36,332 |
生活の豊かさを測る指標としてはいろいろありますが、一人当たりのGDPにて換算すると日本はこの表の通り世界で27位、アジアでは7位と先進国で最も発達した国の一つと言われている割には低い順位となっています。
石油の出るアジアの産油国(カタール、アラブ首長国連邦、クウェート、ブルネイ)よりランクが下というのは分かるものの、シンガポールや香港よりも順位が低いことに驚く方が多いのではないでしょうか。
シンガポールや香港は小さい国(地域)で生産性の高い金融に特化し、生産性の低い農業や漁業に従事する人が少ないことが大きな原因ですが、日本も金融やITを強化し、JAを改革し農業従事者の所得向上を測るなどの対策をしなければこの差は縮まらないでしょう。
また経済の発展のためにはデフレからの脱出が最重要です。アベノミクスで株価は上昇しているものの、デフレからの脱出は程遠くアベノミクスの恩恵を受けているのは金融や建設関連などの一部の業種や株式・外貨を保有している富裕層のみ。
教科書的な原則ではデフレが終了し、物価が上昇することで正常な経済成長の基盤ができ、中間層の人々も広く経済成長の恩恵を受けることができるとされています。安保も重要ですが、国力の基盤は経済力で安倍政権には何としてもデフレからの脱却を成し遂げてもらいたいものです。
日本の課題は労働生産性が低いこと

この表は労働生産性つまり、労働量に対してどのくらい稼ぐことができたかを表す指標で日本は34カ国中22位と働けども稼げないという結果を示しています。
G7の中では日本は最下位でアメリカは人口が3億人を超えているにもかかわらず3位で、このデータからもアメリカの強さが読み取れます。
日本の生産性が低い理由としては物事の決裁に複数人の判子を要するなどビジネスのスピードが遅いことや業務のIT化の遅れなどのためだと思われますが、この辺をドラスティックに変えていかないとこのままでは韓国に追い抜かれるのも時間の問題。
デフォルト寸前まで陥ったギリシャよりも下というのは驚きですが、まずはこの労働生産性を向上させ結果として一人当たりのGDPも上昇するような施策が必要です。
日本人の労働時間はイタリア人やアメリカ人よりも少ない

この表は年間の労働時間を表していて、意外なことに日本人はイタリア人やアメリカ人よりも労働時間が少ないというデータになっています。
これ本当?イタリア人なんて働かないでしょ!と疑問に思わなくもないですが、労働政策研究・研修機構という政府系機関のデータなので正しいはず。
日本は祝祭日が海外よりも多いので年間の労働時間ベースだと我々が思っているより働いていないのかもしれません。
最後に日本人の労働に関する動画として、外国人がイメージする日本人サラリーマンの日常です。5年くらい前の自分を見ているようで思わず笑ってしまいました。ぜひどうぞ!