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5分でわかるギリシャデフォルト危機の発端と経緯。ユーロ離脱か?

      2015/08/26

ギリシャ危機

ギリシャはこれまでに何度も起こった経済危機をその都度、瀬戸際戦術により辛うじて乗り切ってきたものの、今回はその戦術が通用しないかもしれません。

6月下旬から急速に高まったギリシャのデフォルト(債務不履行)の危機とそれに伴う金融不安。今、ギリシャ、ヨーロッパで何が起こっているのか、その原因は何か?わかりやすくまとめました。


目次

ギリシャ問題、ギリシャ危機の発端

2009年10月の政権交代をきっかけに、それまでの政権がユーロ加盟の条件である名目GDP比の財政赤字が3%以内という条件を維持するため、実際は13.6%だったにも関わらず4%程度と虚偽の発表を行っていたことが発覚しました。

ギリシャの歴代政権が国民の支持をつなぎ止めるために公務員の優遇政策やばらまきを続けたことに起因します。

2010年1月の欧州委員会でこの問題が表面化すると格付会社がギリシャ国債の格付けを引き下げたことから一気にデフォルトの危機に。

これに対してユーロとIMFが増税・年金改革・公務員改革・公共投資削減などの厳しい緊縮財政策を実施することを前提に2010年5月と2012年2月の2回にわたり総額2,400億ユーロ(約33兆円)に及ぶ支援を実施します。

これにより財政的には徐々に改善していったものの、約5年にわたる緊縮策によって景気が低迷し、若者の2人に1人が失業するなど、国民生活に大きな影響が出ており、緊縮財政に嫌気をさした国民の不満が高まります。

そんな中、2015年1月の総選挙で反緊縮派の急進左派連合が勝利しチプラス政権が誕生、国民の支持を背景にユーロからより有利な条件による財政支援を受けるために今回の国民投票の実施に至りました。

次からニュースで報じられるようになったギリシャ問題の経緯を日を追って説明していきます。

 

6月27日(土)ギリシャで国民投票の実施を発表→EUは反発、不信感が増す

EUがギリシャに求めていた金融支援の条件となる構造改革についてEUとギリシャ双方で交渉をしていたものの、ギリシャのチプラス首相が突如交渉を打ち切り、構造改革の受け入れの是非について国民に判断を委ねるため国民投票を7月5日に実施すると表明

そしてIMFへの債務返済期日(6月30日)を国民投票後の7月5日まで延長する事などをEUに要請しました。

しかし、EUは返済期日の延長拒否とギリシャから求められていた※緊急流動性支援(ELA)の上限拡大の見送りを決定。併せてEUはこのことから生じる可能性のあるギリシャがデフォルトとなった場合の対応についても、ギリシャ抜きで協議を開始します。

EUからするとギリシャは財政が破綻し国民は脱税する人が多く、規律も守らない、そして政府は公務員の優遇政策を続け、その状況を一向に改善しようとせずEUにお金ばかりをせびっている。そんな国に対して自分たちのお金(税金)を使って助ける必要はないという考えで、今回はさすがにもう支援できませんという状況です。

※緊急流動性支援(ELA)はECB(欧州中央銀行)がギリシャ中銀と連携し、金融機関の資金繰りを支える仕組み。

6月28日(日)ギリシャ議会で国民投票が決定。

ギリシャ議会はEUなどがギリシャに金融支援の条件(年金の削減など)として受け入れを求めた構造改革の賛否を問う国民投票を7月5日に実施するかどうかの採決を行い、賛成多数で承認されました。

これにより7月5日にギリシャで国民投票が実施されることが決まりました。

また、金融支援が拒否され資金が枯渇寸前のため、ギリシャは週明け29日(月)から銀行を休業させ、資本規制を導入すると発表。また、アテネ証券取引所での取引も中止に。

 

6月29日(月)世界の株式市場で全面安へ

日本、中国、ドイツ、フランス、アメリカの世界主要株式市場ではギリシャ危機に対する不安から投資家の株式の売却が殺到し株価が大幅安となりました。一方、為替市場はユーロが急落して始まったものの、その後買い戻され比較的安定して推移。

ギリシャではATMの引き出しを額を1日あたり 60ユーロ(約8,200円)に制限しているものの、ATMの前には長蛇の列ができ、国内7,000台のATMのうち、500台が現金が空になるなど国民生活にも大きな支障が出ています。

この日ギリシャのチプラス首相はテレビ出演で 30日に期限が迫ったIMFへの債務返済について「債務返済はできない」と厳しい状況に陥っていることを明言しました。

 

6月30日(火)世界の株式市場は反発。ギリシャはIMFへ返済できず、事実上のデフォルトへ。

日経平均株価は、前日比125円高の2万235円となり、世界同時株安を東京市場でストップさせました。前日に596円安と急落した反動とチャンスと睨んだ個人投資家などの押し目買いにより株式が買われる展開となりました。

また債務の返済期日まであと半日というタイミングでギリシャ政府は金融支援の新提案をユーロに提出。ユーロは電話での緊急会合の結果、ギリシャの反緊縮の姿勢は変わっていないことからこれを拒否。

ギリシャは日本時間の7月1日(水)午前7時のIMFへの返済期日内に債務を返済できず延滞状態となり、事実上のデフォルトとなりました。

 

7月1日(水)ユーロ圏財務相会合では投票の結果を見極めることで一致

EUは電話によるユーロ圏財務相会合を開き、7月5日の国民投票の結果を見極めること、そしてそれまではギリシャへ金融支援の交渉を見送る方針を決定。

一方、チプラス首相は国民に国民投票で構造改革案を否決するよう訴えました。また、7月5日の国民投票の投票用紙が公開され、構造改革案の受け入れの賛否を問う質問に対し、上から「いいえ」「はい」というマークが並び、あえて「いいえ」を上に記載したことで、政府の意向が反映されているとの憶測がでています。

 

7月2日(木)国民投票賛成派vs反対派のせめぎ合い

ギリシャでは5日(日)に実施される国民投票に向け、賛成派と反対派が会合やメディアでそれぞれの立場を訴えるなどPR合戦が活発に。

29日に行われたギリシャ国民の世論調査では賛成37%と反対46%で、反対票が上回るものの、銀行閉鎖や経済の混乱、将来に対する不安から賛成派が急速に巻き返しており、5日の投票は接戦が予想されます。

また、チプラス首相が率いるSYRIZAと連立を組む党から4人が首相に反対して離党するなど与党に造反がでており、政治の駆け引きも活発化しています。

 

7月3日(金)世論調査で賛成派が反対派を上回る

これまでの世論調査では反対派が常に賛成派を上回っていたものの、2日に行われた最新の調査では賛成票を投じると答えてた人が44.1%、反対が43.7%と僅かながら初めて賛成派が上回りました。

先週末から国民生活が大混乱となり、ユーロ離脱が現実味を増し、多くの国民が今後に不安を感じている結果が現れる形となりました。

 

7月4日(土)投票日前日は賛成派、反対派共に大規模集会を開催

この日発表された最新の世論調査は賛成、反対共に4割前後で拮抗、まだ投票先を決めていない人も1割以上いるとされ、この層の動向によって結果が左右される展開に。

ギリシャのTV、新聞などのメディアはユーロからの構造改革案の受け入れに「賛成」が多数を占めており、さらにここ一週間で賛成派が巻き返していることから、賛成派が優位とみる報道も。

国民投票の結果が判明するのは6日(月)日本時間の午前7時頃の予定で、もし賛成派が勝った場合は円安・株高となり、逆に反対派が勝った場合は円高・株安となることが予想されます。

 

7月5日(日)ギリシャ国民投票の結果は「反対」

7月5日(日)にギリシャでEUの金融支援の条件である構造改革を受け入れるかどうかの国民投票が実施され、即日投票の結果、反対派が勝利しました。有権者数は18歳以上の約985万人。

※国民投票の詳細及についてはこちらを参照
ギリシャ国民投票の結果は「反対」!これからどうなる?

 

7月6日(月)EUのとの交渉を進めるため財務大臣が辞任

ギリシャは銀行の営業停止を延長し今週も休業すること、60ユーロの現金引き出し制限を維持することを決定しました。

また、これまでEUとの交渉を務めてきたバルファキス財務相が辞任し、ツァカロトス外務副大臣が新たに就任。EUの評判が良くなかった同氏を外し、交渉を前に進めるための措置とみられます。

この日開催された独メルケル首相、仏オランド大統領の会談後にメルケル首相はギリシャに対し「交渉のドアは開かれている」と述べ、7日のユーロ圏首脳会議までに具体的な財政改革案を提示するよう要請しました。

 

7月7日(火)ギリシャが提出する財政改革案は10日までへ

ギリシャはこの日開催されたユーロ圏首脳会議にて財政改革案を提出できず、遅くとも10日までにユーロ側に提出することとなりました。

そして12日に再び開催されるユーロ圏首脳会議で最終合意を目指して交渉を加速することで一致。ギリシャの財政が破綻するかしないか決まるのは今週が最終期限となりました。

 

7月8日(水)ギリシャだけでなく中国でも市場が混乱に

ギリシャは、EUの金融安全網である欧州安定メカニズム(ESM)に対し、今後3年間の資金支援を要請。ギリシャの財政改革案はこの支援が前提となっており、12日に開催されるユーロ圏首脳会議で内容について議論されます。

この日の世界経済の話題は中国。政府が対策を打ったにもかかわらず中国株が急落、日本、アメリカも株価を大きく下げ、さらにアメリカはNY証券取引所がシステムトラブルで4時間も取引できないという事態に。

ギリシャのみならず、中国でも行方が不透明になりマーケットが不穏な空気で覆われる一日となりました。

※関連記事
ギリシャに続き中国も激震!上海総合指数急落で日経も大幅DOWN

 

7月9日(木)ギリシャがEUへ財政改革案を提出

ギリシャがEUに新たな金融支援を行う条件として提出を求められていた、財政改革案を提出。内容は増税や年金の給付制限により2年間で100億ユーロ(約1兆3,400億円)の収支改善を図るもので、12日(日)のユーロ圏首脳会議で受け入れるかどうかを最終決定します。

 

7月10日(金)ギリシャが提出した財政改革案はEUへ譲歩した内容

9日にギリシャが提出した財政改革の内容ははEUの財政改革案を受け入れ譲歩したもので、フランスのオランド大統領は「真剣で信頼できる提案だ」と述べており、ユーロの幹部からは支援再開へ向けて前向きな発言が相次ぎました。

12日のユーロ圏首脳会議の前に、11日には改革案を精査する財務相会合を開催することが決まり、依然としてドイツなどからは実効性について疑問視する声はあるものの、金融支援再開に向けて一歩を踏み出しました。

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出典:毎日新聞

 

7月11日(土)財務相会合ではギリシャの財政改革案に同意できず先送りへ

ユーロ圏財務相会合が開かれ、ギリシャが9日に提出した財政改革案について話し合われたものの、フィンランドが新たな支援に向けた交渉をするにはさらなる議論が必要とし、同意には至らず、12日に再度開催される財務相会合及び、首脳会議に先送りとなりました。

 

7月12日(日)首脳会議でも合意できず、ギリシャに15日までの改革案の法制化を要求

昨日に引き続き財務相会合が開催され、ギリシャが財政改革案を着実に実行できるか疑問視する声が相次ぎ、協議は4時間以上続いたものの結論には至らず、ユーロ圏首脳会議へその判断を委ねることになりました。

首脳会議では15日までにギリシャが財政改革案を実行するための法制化を求め、法制化ありきでの金融支援再開という結論に至りました。

 

7月13日(月)金融支援再開へ歴史的合意!ユーロ残留、デフォルト回避へ

ユーロ圏19カ国首脳による会議は12日(日)から日をまたいで13日(月)まで約17時間にも及びました。最終的にEUの要求をほぼ全面的に受け入れ譲歩したギリシャへ金融支援することを条件付きながらも決定、これにてギリシャはユーロへの残留、デフォルト・銀行の破綻の回避がほぼ確実となり、ここ2週間ほど世界を騒がせたギリシャ危機が解決へ向けて大きく前進しました。

※詳細はこちら
ギリシャ金融支援再開へ歴史的合意!ユーロ残留、デフォルト回避へ

 

7月14日(火)サムライ債の償還期限日→返済へ

この日は約20年前に日本の投資家向けにギリシャが発行した「サムライ債」の償還期限。返済されるか注目されていたものの、ギリシャは117億円を全額返済し、デフォルトの危機が回避されたことを証明しました。

また、EUからの金融支援を受けるために要求されている財政改革案を実行するための法制化について、与党から造反者が数名出るものの、野党からの支持も見込まれるため、15日に大差で可決される見通しとなっています。

 

7月15日(水)ギリシャ議会で財政改革法案を賛成多数で可決

ギリシャはEUから金融支援の条件として求められていた財政改革の法制化を賛成多数で可決し、金融支援を再開が可能となりました。

今後、EUの各国で議会承認などを経てギリシャへの支援が再開されることになります。

 

7月16日(木)EUがギリシャへ70億ユーロのつなぎ融資を実施することで合意

ギリシャが財政改革法案を可決したことを受け、EUはユーロ圏財務相による電話協議を行い、ギリシャの当面の資金を確保するため、70億ユーロ(約9,500億円)のつなぎ融資を実施することで合意しました。

既にギリシャへ3年間で最大860億ユーロの支援を行うことを決定しているものの、支援を行うには少なくとも3週間は必要で、この3週間の間にギリシャ国債の償還などに資金が必要で、今回のつなぎ融資の合意により財政破綻及びデフォルトの危機は回避されることになりました。

 

7月17日(金)ドイツ議会がギリシャ支援を承認。

ドイツ連邦議会はギリシャに対する第3次支援策の交渉開始の可否をめぐり採決を行い、賛成多数で承認しました。最大の債権国であるドイツ議会が承認したことで、ギリシャ支援交渉が今後本格化します。

また、ギリシャのチプラス首相は17日、内閣改造を行い、財政緊縮案に反対した閣僚を更迭し、EUからの支援を受けるうえで体制を強化しました。

※ギリシャ問題関連ページ
IMF(国際通貨基金)が答えた「ギリシャに関する9つの疑問」

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